【読書メモ】『宮沢賢治を創った男たち』著・ 米村 みゆき | Nozomi TANAKA 【読書メモ】『宮沢賢治を創った男たち』著・ 米村 みゆき – Nozomi TANAKA

【読書メモ】『宮沢賢治を創った男たち』著・ 米村 みゆき

『宮沢賢治を創った男たち』、とても気が重くなるタイトルだけど、毎夜のたのしみに読み進めた。地方=辺境=前近代の場所としての「東北」に賢治の芸術性を結びつける眼差しが、いとも容易く土着さの称揚となってゆく。全く比べるのはおこがましいけど、この居心地の悪さを私も度々感じている…。東北という言葉は、西からの眼差し(東北という方角への一方向的なフレーム)という感じがして、私はどうにもなじまないけど、東北の人でも東北が自らの場所として内面化されていたりするし、不思議な言葉だなと思っている。
本書を一通り読んで、ひとりの詩人が国民的な芸術家となっていく政治性について考えさせられた。『雨ニモマケズ』は、「日本の精神」という神秘性(評価)が与えられることによって、「聖句」的な影響力を持つことになる。「魅力的な」芸術は、作者の意図を離れてひとり歩きする。その芸術性を利用される危うさは、いつの時代の芸術家にとっても同じことだろう。


Date: 03/26/2018 | Category: メモ| | Name: Nozomi TANAKA