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[山] 早池峰山「お山かけ」

遠野の「つくる大学」さんの企画で20年ぶりに再現した早池峰山の「お山かけ」に、モニター参加させて頂いた(https://note.com/tsukuru_univ/n/n99182b5859ac)。ほんとうに貴重な体験ができて、企画・サポートしてくださった皆様、先達を務めてくださった和さんに、心から感謝しています。

詳細は後日あらためて記事にするとして、忘れないうちに少しメモを残しておく。

今回の「お山かけ」は8月19-20日の二日間の日程で行われた(実際には事前のたいまつ作りから始まっているけれどそれは残念ながら不参加)。むかしは宮城県の沿岸部からも、早池峰を信仰する人々がお山かけに来ていて、その時は集落に1週間ほど泊まって精進潔斎をして山に入ったらしい。
19日、麓の集落で餅をついてお供えを用意し、山の神様に神楽を奉納して、19時過ぎに大出の早池峰神社を参拝し出発。夜の山を、先達が掲げる「たいまつ(今回は葡萄の蔓の皮で作ったものらしい)」の灯り(だけではさすがに危険すぎるのでライトもつかいながら)を頼りに歩いた。雲ひとつない新月の夜だったので星が溢れんばかりだった。足元では蛍の幼虫の明かりもよく見えた。カメラには写せないいろいろな不思議を見ることができた。薬師岳の中腹(?)を通る馬留登山道を経由し、いくつか沢を渡渉したり、滝を拝んだり、休憩をとりながら、明朝5時に早池峰山頂に着いた。早池峰の5合目あたりからは、御来迎に間に合うように、暴風に煽られながら駆け上った。日が昇ってくると少しずつ周りの姿形が照らされて、新しい世界がまた生まれてくるような感じがした。山頂で参拝して、その後は来た道を戻り、麓の大出早池峰山に帰って来たのは13時頃だった。往復で約24kmの行程を16~17時間ほどで歩いたことになるだろうか。夜通し山で過ごせて幸せだった。しかしこの行程を一人で歩いたら途中で挫折するでしょう。危険な箇所も結構あったけれどそれもまた楽しくて興奮した。怪我なく帰ってこれたのはひとえに和さん、皆様のサポートのおかげです。本当にありがとうございました。

自分がはじめて早池峰山を登ったのが昨年6月の開山祭で、その時は小田越登山口から登ったけれど、今回「起点」となる大出早池峰神社から歩いてみて、麓の集落から連なる山への信仰の、その一端を感じることができたような気がした。
馬留〜小田越えまでの山道では、大小様々な沢や滝があって、それが麓の集落に注ぐ川となっていくのだろうか。薬師岳の位置づけも考えさせられた。また、途中で森がひらけて早池峰山の稜線が拝めるポイントがあったりして、こうして徐々に、体感的にも精神的にも霊山に入っていく体になっていくのかなと思った。小田越から早池峰に入ると、そういう過程を飛ばしてしまって、どちらかというと「スポーツ登山」としての山との関わり方になってしまうのがもどかしかったけれど(もちろんそういう楽しみ方もあると思うけど、自分の興味とは方向性が違うかもしれない)、先達に付いて麓から歩いてみて、山に入っていく感覚というか、これは、かつての人々にとっては登山というよりも「あの世」に入っていくような感覚だったのではないかと妄想した。当日の記録を整理しながらしばらく考えてみたい。


Date: 08/20/2020 | Category: フィールドノート||岩手 | Name: Nozomi TANAKA