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12月9日、『大黒様のお歳夜祭り』(主催:大黒様の御歳夜祭り実行委員会、共催:山王神社・山王商店街振興組合)に合わせて、山王日枝神社(山形県鶴岡市)にて作品の展示を行い、その日の午後に、羽黒山の出羽三山神社へ作品の奉納を行なった。展示・奉納した作品は、今年の夏に『アマビエ・街中アート五人展』(企画・主催:鶴岡市商店街連合会・NPO法人公益のふるさと創り鶴岡)で制作したもの。
庄内地方では、12月9日を「大黒様のお歳夜」として、各家々でまっか大根(二股に分かれた大根のこと)、ぶりこ(子持ちのハタハタ)、黒豆のご飯、黒豆のなます、豆腐田楽をお供えし、子孫繁栄や無病息災、五穀豊穣をお祈りする風習がある。お歳夜とは神様の歳取りの日のことで、つまりこの日は大黒様が歳をとる日となる。星野さんによれば、この日(12/9の夜)は宵宮にあたり、12月10日がお祭りの日だろうとのことだった。なぜなら、かつての日本の人々にとっては、日の代わり目は”日が暮れた時”、つまり太陽が沈んだらもう”次の日/新しい日”だったので、大黒様のお歳夜を9日の夜に行うのはそのためだろう、と考えられるからだ。また、大黒様のお歳夜は「大黒様の嫁迎え」とも呼ばれている。餅を食べ過ぎて腹痛を起こした大黒様が、農家の娘に二股の大根を分けてもらい、そのおかげで腹痛が治ったという言い伝えが、この行事の由来となっている側面もあるそうだ。お供えの二股大根は女性を暗示していると考えられている。 先に述べたように大黒様のお歳夜は各家々で行うものだが、鶴岡市山王町では、地域の芸能・文化継承のために、『大黒様の御歳夜祭り』を企画し、中心商店街での大黒舞や大黒様料理の注文承りなど実施してきた。例年は、日枝神社にて、神事や大黒舞の奉納の後に、大黒様料理のお弁当をみんなで食べたりするのだが、今年度は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、神社にて神事のみ執り行い、その後は商店街のなかで数カ所を門付けして回った。
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