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作品を作ることの苦しさについて

どうにか展示が始まったとき、置かれた作品を見て初めて、そのテーマと向き合った自分自身の存在に気がつく。作品は何かの結果や結論を形にしたものというよりも、そのテーマについて考える方法そのものであると思う。「生みの苦しみ」という言葉はよく聞かれることだが、私にとってはそれは「(自分自身が)生まれ変わることの苦しみ」という感覚に近いなと思った。... 続きを読む


Date: 02/24/2019 | Category: 制作|独り言 | Name: Nozomi TANAKA / 田中望

 

仙台の何もなさをあるく(5)石窟仏が見てきたものを見てみたい

2018年の4月、郷土史家のM原さんにご案内いただき、三居沢周辺を歩いた。三居沢は青葉山丘陵の、北側の山陰になっており、目の前には広瀬川が流れる。しっとりと湿った雰囲気のある場所だ。青葉山というと、仙台城や護国神社のイメージしかなかった私にとって、この三居沢歩きは山への捉え方を変える体験だった。
現在がそうであるように、おそらくいつの時代も、青葉山は仙台に住む人々にとって象徴的な存在だっただろう。しかしそれが象徴する意味は、時代によって違いがありそうだ。... 続きを読む


 

戊辰戦争

仙台市博で開催中の「戊辰戦争150年」の関連講座に参加した。
戊辰戦争に至る経緯やその選択を仙台藩からの視点で辿るものだが、市博の中武先生のお話がめちゃくちゃわかりやすくて感激…。... 続きを読む


Date: 11/18/2018 | Category: メモ|独り言 | Name: Nozomi TANAKA / 田中望

 

仙台のなにもなさを歩く(4)伝説の源泉に触れたい

奥羽山脈方面を望むと、なだらかな起伏の続く風景の中に、きれいな三角おにぎり型の山がよく目立つ。遠方に出かけて帰ってきた時や夕暮れ時に太陽が沈む時、太白山をみると、仙台にいることを強く実感する。深山(みやま)のような遠くの山というよりは、暮らしの場に近い”裏山”として親しまれている太白山であるが、この山には今でも語り継がれている数々の伝説があるそうだ。仙台に長く住む人なら、そのなかのいくつかは聞いた事があるかもしれない。(といいつつ、私がこれらの伝説を知ったのはつい最近のことだが…。)
実際に歩き回るなかで私が興味をもったのは、「太白山の巨人伝説」である。
話のあらすじはこうだ。... 続きを読む


 

京都・崇仁地区のドキュメントをつくるWS:第一回目

京都市立芸術大学が主催する「状況のアーキテクチャー」というプログラムのなかの、テーマ:《社会》に参加している。
先日9月25日が第一回目の集まりで、崇仁地区のフィールドワークとディスカッションを行った。
 
町を歩いてみると、解体・建築工事よって、めまぐるしく町の形が変わっているという状況が見て取れる。他所の土地の者である私にとって、断片的となった街の風景からは、外見上の変化以上の”何か”を得ることはなかなか難しく、ましてや、その土地に関する知識もほとんどない中では、記録する対象を定めていく拠り所がなく、目の前をただただ情報が流れていくというような状況だった。
この、変化の渦中にある崇仁の街を歩きながら、私は過去の経験ー-変化の渦中にいるときにはその全貌を捉えることができないが、全てが変わってしまったときに、「いったい何を記録しておくべきだったのだろうか」という問いが生じる経験--を思い返していた。目の前にあったもの(建物、道、植物、公園…)が無くなってしまった時に起こる変化は、物質的な領域にとどまららず、それらを媒介に作られていた関係性や、記憶、感情などにも影響を与える。そして、そのような目に見えないものの変化は、変化したこと・失われたことにすら気がつかないことが多いのではないだろうか。”変化”をそのような性質ものだと考えた時に、あらためて、「いったい何を記録しておくべきだったのだろうか」という問いが浮かぶ。
 
この移転にともなう一連の工事は、新しい暮らしを作る積極的な行為であるとともに、街の風景に刻まれた記憶を壊していく破壊的な行為としても捉えることができる。本プロジェクトの参加者とともに歩いた感想を交わすなかで、「人々の暮らしの風景に、変化が暴力的に入り込んでいる」というような感想がいくつかあがった。この変化を”暴力的”と感じるのはなぜだろうか。
対話の中では、どんな場所でも変化はしていくものだが今の崇仁ではその変化の仕方が急速で、短時間のうちにかつてあったものが失われている状況への驚きや危機感であったり、ここで暮らす人々の生活空間が、周囲の変化(空間のスケール感が変わってしまうような変化)にとても”追い詰められている”ように感じられる、というような意見があった。生活の場が急速に変わっていく状況として、同じ類いのものと考えてよいのかは分からないが、私自身は3.11の震災後に行われた対話の中であった言葉ーー自らの手(小さな技術」)を使ってつくられた生活の風景に在る”自在さ”が、自らの手では歯が立たない大きな技術によって、壊されてしまったように感じるーーを思い返し、それと似たようなことが今の崇仁地区にも起きているのではないかと感じた。
 
※写真の順序がめちゃめちゃですが、ひとまずそのまま載せます。


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土祭2018

土祭2018に参加いたします。
 
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【土祭】
土祭は2009年から3年おきに開催され、今回で第4回目の開催となります。
「文化の力で地域を元気にする」という考えのもと、
「益子のならではの文化」を土祭では問い続けています。
今回の土祭では地域住民による「地域プロジェクト」の他に、
町内各所にアート作品の展示、初めての企画である「食プロジェクト」や
「オカリナプロジェクト」「旧小宅小プロジェクト」が開催されます。
また、10月7日(日)には長堤八幡宮にて太々神楽が後・土祭として開催されます。
下記内容が開催日程でございます。
皆さんのご来場お待ちしております!
〇土祭
開催期間: 9月15日(土)~9月30日(日)
場所: 栃木県益子町
〇後・土祭
開催日: 10月7日(日)
場所:  長堤八幡宮      
※ アート展示・旧小宅小プロジェクトを見るためにはガイドブック(税込1000円 詳細は公式HPへ)の購入・提示が必要となります。
※ アート作品展示は9/15(土)から9/30(日)まで行われます。 
益子町へのアクセス... 続きを読む


Date: 09/15/2018 | Category: お知らせ|展示 | Name: Nozomi TANAKA / 田中望

 

仙台のなにもなさを歩く(3)移動された神さま・仏さま

緑ヶ丘団地から丘陵を南側へ下ると砂押町に至る。犬の散歩などでよく歩いた道だが、ここに石造りの鳥居があることは以前から気になっていた。砂押会館という地域の公民館の敷地内に、その「深山神社」はある。境内には石灯籠があり、お社の外見はそれほど古くない。私が訪れたときには、ちいさなお社の中に、まだ新しそうなお札が置かれていた。この時には見落としてしまっていたが、『仙台の石仏散歩 散策のガイドと石仏入門』(著・木村孝文)によれば、境内には馬頭観世音(天保十五年・1844と、馬櫪神(大正三年・1914)の石仏があるらしい。住宅に囲まれたなかで、どうしてこの場所に神社が建てられたのか、いつからあるのか気になっていたが、この神社の意味を改めて考えてみると、団地になる以前のこの一帯の風景が見えてくるような気がする。... 続きを読む


Date: 09/03/2018 | Category: フィールドノート|仙台|地域 | Name: Nozomi TANAKA / 田中望

 

益子取材(西明寺)

7/22-24、益子取材その1。
22日の夜9時すぎに益子の滞在宿「民宿とき」に着く。素早く動く黒い魔物と格闘した後、就寝。
 
翌23日は朝10時に民宿を出発。この日の目的地は西明寺、高館山、綱神社。そして上大羽で「塩荷坂」の情報を得ること。
「塩荷坂」の記述を見つけたのは『益子の文化財』(発行=下野新聞社)のp48-51、「大羽から笠間へのルート」のうちの、「谷沿いのルート」の箇所だ。
益子の場所性を探る過程で、「内陸部の益子の人々はどのように塩を得ていたのか?」ということが気になり、5月下旬から当地域の「塩の道」のことを少しづつ調べていた。
ネットで「茨城 栃木 塩 道」などで検索すると、「金山峠」や「境松峠」といった、かつての道の名が出てくる。
 
(参考にさせて頂いたリンク↓)
http://www.city.hitachiomiya.lg.jp/data/doc/1393321728_doc_1_6.pdf
http://wasura.blog86.fc2.com/blog-entry-1102.html
http://www.geocities.jp/saitamatouge2/touhoku/20170131/170131.html... 続きを読む


Date: 07/22/2018 | Category: フィールドノート|益子 | Name: Nozomi TANAKA / 田中望

 

クロストークを終えて

先日7/15、塩釜市杉村惇美術館で開催中の展覧会の関連イベントとして、石倉敏明さんとのクロストークを行いました。
石倉さんは、作品だけでなく制作プロセスにおいても、深く受け止めて言葉を与えて下さるので、本当に私にとって得難い先生の一人です。そういう訳で、今回のトークでは、場所と関わりながら制作していく上での悩みになどついて、相談させて頂きました。... 続きを読む


Date: 07/17/2018 | Category: メモ|展示 | Name: Nozomi TANAKA / 田中望

 

【お知らせ】クロストーク「場所をめぐる話 −記録と創造の間から−」

7/15、塩竈市杉村惇美術館での展示の関連イベントとして、石倉敏明さんとのクロストークを行います。(ぜひ石倉さんをお呼びしたいと、私のわがままでお願いしました…。)
トークの副題にある「記録と創造の間」は、私が常々悩んでいることです。おそるおそる「場所」に飛び込んで、その中から何か「問い」を見つけて、そうした問いを「作品」として形にしていく、という一連のプロセスから、今のところ実感していることは、「場所」というのは確固たる実在としてあるというよりも、私自身の「場所」に関わる姿勢(観察態度?)によって、さまざまな意味を持って現れるものなんじゃないかということです。そして、そうだとしたら、自分はどうやって場所を観たり、体験したら良いのだろうか、ということがまず問われるのだと思います。(その生じた「問い」をどうやって形にすればいいのだろう…という所でも、また悩んでしまうのですが。)
地域アートの広まりと関係して、場所・場所性を問うような芸術実践は昨今非常に増えている印象があるのですが、そうした事例も紹介しつつ、あまり堅苦しい話にはせず、私自身の経験から実感していることや、自分にとっての課題、今後の可能性などについて、対話をしながら考えていければと思っています。どうぞお気軽にご参加ください。
イベント詳細は以下のリンクをご確認下さい。... 続きを読む


Date: 07/14/2018 | Category: イベント|お知らせ|展示 | Name: Nozomi TANAKA / 田中望